淀協理事会として2030年までの中長期計画である「80プラン」(案)を発表しました。
2030年までの淀協の事業や運動、人づくり、街づくりなどの目標、計画を示したのが「80プラン」です。
2030年というのは今から8年後、地球温暖化対策のために二酸化炭素(CO2)排出をゼロにしようという国際的な取り決めの最終年にあたります。
戦後直後に開設された西淀病院は、当時のサンデー毎日が「日本で初めての労働者のための病院が西淀川の工場街のど真ん中に生まれた」と伝えたように、終戦の混乱の中、労働組合や地域住民が「自分たちのいのち・健康は自分たちで守ろう」と出資金を集め、自らが病院を運営する取り組みに立ち上がりました。まさに「人民による人民のための人民の医療機関」として出発したのです。その後、区内では柏花、姫島、加島、大和田、戸ノ内に次々に同様の医療機関が誕生し、大阪府下、近畿各県に広がっていきました。
当時から貫いてきた理念は「いのちの平等」「無差別・平等」です。
「80プラン」では、淀協の基本理念を貫き、だれでも分け隔てなく医療や介護を受けることができ、健康友の会会員や地域の人たちの健康増進をすすめることを目的にしています。「断らない」医療・介護の実践、「差額ベッド代はいっさい取らない」「無料低額診療事業」「地域丸ごと健康づくり」はその表れです。
「80プラン」では、今年度、相川診療所(吹田)、茨木診療所の新築をすすめます。創立80周年の2027年には、西淀病院、よどの里の新築を計画しています。全事業所で二酸化炭素(CO2)を出さないとりくみを推進します。
なにより、今後増加の一途をたどる老老世帯や独居世帯の増加の中で、地域のつながりをつくり、地域での健康づくりをすすめること、そしてその生活の支えとなる病院、診療所、介護の機能の充実と連携を高めることが「80プラン」の最大の眼目です。
そのためには「地域とともに歩む人間性豊かな医師はじめ専門職の養成」「経営の安定と資金の確保」と「地域で健康づくり、まちづくり運動をすすめる健康友の会」を大きくしていくことが大事であると考えています。中でも健康友の会が「困ったら健康友の会あり」「地域での生活・健康の窓口」として、仲間ふやしや担い手づくりをすすめ、健診活動、サークル、班、教室など内容を充実させ、より大きく、くまなく地域に広がっていくことを期待しています。
この「80プラン」をより豊かな内容にするために、積極的に意見、要望を出してください。よろしくお願いします。
2022年7月7日
公益財団法人 淀川勤労者厚生協会
副理事長 長瀬文雄