2024年度の診療報酬改定(6月1日実施)。
公的保険の医療の価格を定めるもので、医療機関にとっては収入を左右します。物価高騰や賃上げのために大幅引き上げが求められていましたが、逆にマイナス改定となっています。
医療従事者の賃上げへの手当は不十分
物価高騰下でくらしを守るためにも、日本経済の「失われた30年」からの脱却のためにも「大幅な賃上げ」が世論の声です。今回の報酬改定では医療従事者の賃上げに診療報酬が当てられました。しかし賃上げの対象は「看護職員、病院薬剤師など」一部に限定されています。
また、全く同じ診療内容でも医療機関の賃上げの大小により、患者さんの自己負担金に差が出るという奇妙な内容となっています。そもそも、これまでより報酬が下るマイナス改定では、人手不足の解消や医療の質の確保、コロナ禍でも明らかになった必要な医療体制を維持する経費を確保できない、あまりに不十分なものであることは明らかです。
「患者さん、利用者さんの負担軽減」と
「適正な診療・介護報酬の引き上げ」を
初・再診料の引き上げにより窓口負担が増加することに、不安を感じる方も多くいらっしゃることと思います。しかし、医療や介護の人材不足解消や質の向上のためには、報酬の引上げが必要です。
報酬の引上げによる患者さん、利用者さんの負担増加を緩和するには、社会保障の予算を増やし負担割合を引き下げることが必要です。実際にヨーロッパ諸国などでは「窓口負担なし(原則無料)」を実現している国もあります。
2024年度の日本の軍事費は約8兆円、医療費に対する国の負担とほぼ同じ規模です。国民の命を守る責任が国にはあります。貧困・格差が広がる今、暮らしや命を守るために予算を使うべきではないでしょうか。
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