2024年度の診療報酬改定(6月1日実施)。
公的保険の医療の価格を定めるもので、医療機関にとっては収入を左右します。物価高騰や賃上げのために大幅引き上げが求められていましたが、逆にマイナス改定となっています。
自宅で暮らす命綱 ヘルパーさんがいなくなる?
訪問介護事業所がなくなったら
住み慣れた家で暮らし続けられない
介護報酬改定では、訪問介護(ヘルパー)の基本報酬が引き下げられました。これまでも訪問介護事業所は経営難・人手不足が深刻です。この引き下げで、ますます人材の確保ができず、経営難から倒産・廃止に追い込まれる事業所が増加するのではと不安の声が広がっています。
身体介護、生活援助などの訪問介護は、要介護者の在宅での生活を支えるうえで欠かせません。地域に訪問介護がなくなれば高齢者や障がいのある人が住み慣れた自宅で暮らせなくなります。
欠陥だらけのマイナ保険証
ゴリ押し止めて
政府は、今の健康保険証を今年12月に廃止する方針で、「マイナ保険証」の利用を促し、マイナ保険証の利用率が向上した割合に応じて支給額を増加させるインセンティブ補助金を開始しています。しかし利用率は5.47%(3月)とまったく伸びていません。さらに厚生労働大臣は、5月から7月までの3か月間、集中的に利用促進を図る期間として、チラシを配布するなどして利用者を増やした医療機関に対し、最大で20万円を支給する方針を明らかにしました。
トラブル事例が尽きない「マイナ保険証」。今回の改定で、新しく「マイナ保険証」の利用などを条件に新設される「医療DX推進体制整備加算」は、従来の保険証を提示した患者さんからも、医療機関、調剤薬局でそれぞれ窓口負担金が追加されてしまいます。医療機関や保険薬局には「にんじんをぶらさげ」、患者さんには負担を押し付ける「欠陥だらけのマイナ保険証」ゴリ押しは許されません。