子どもや孫の世代の健康を守るために
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PFAS汚染に立ち向かいましょう
一度体内に取り込まれると、何十年も排出されないことから〝永遠の化学物質〞といわれるPFAS(有機フッ素化合物の総称)。マスコミでもPFASによる環境汚染が報じられるようになり、徐々に関心が高まってきています。
中でも全国一の高濃度汚染地域と報じられた大阪。主要な汚染源の一つがダイキン工業淀川製作所(摂津市)です。ダイキンはPFOA(WHOのランクで「発がん性」物質に指定)を2012年まで半世紀にわたり製造、排液を垂れ流し河川や地下水、土壌、大気を汚染してきました。PFASは水や油をはじき熱に強いという便利さからフライパン、衣服、カーペット、化粧品、ハンバーガーの包紙といった日常生活用品のあらゆる場で使われてきました。
一方、米国や欧州ではPFASの毒性が問題となり、国際条約で製造・使用禁止となりました。
しかし、日本の対応は2、3周遅れで、水質暫定目標値も米国の10 倍以上に緩いものです。土壌規制基準、健康管理基準はなく行政による血液検査や疫学調査もする気がありません。
そんな中、昨年秋に実施した1190人の検査では、全体の3割の方が米国の健康管理を必要とする基準値を超えていました。中でもダイキン工業に近づけば近づくほど高値が検出されました。
「会」では、基準値を上回った方を対象にPFAS相談外来を実施しています。発がんや甲状腺疾患、脂質異常などの精査や健康管理が必要になります。また、新たに血液検査も計画しています。結果の見方や子や孫など家族が心配などの方もおられると思いますので気軽に健康友の会事務局や各事業所にご相談ください。
大阪PFAS汚染と健康を考える会 事務局長
淀協 理事長補佐 長瀬 文雄
* PFAS(ピーファス)(有機フッ素化合物)
水や油をはじく、熱や薬品に強いなどの性質からフライパンや鍋のフッ素樹脂加工などの生活用品や泡消火剤などの工業製品に広く使われてきた。
分解されにくく蓄積しやすいため「永遠の化学物質」と呼ばれている。工業や軍事基地から排水と共に放出されたPFASは長く環境中に残り、地下水や河川水から水道水などを通じて人の体内に取り込まれ健康被害や発がん性の恐れがあり世界的に規制が強められている。