コロナ禍で、シニア世代が気を付けたいフレイル(健常から要介護へ移行する中間の段階)を予防しましょう!
コロナ感染拡大を防止するために、三蜜(密閉・密集・密接)を避けるように!外出を自粛するように!と言われ、友の会活動も行えず、会いたい人にも会えないさみしい思いをされている方も多いのではないでしょうか。働きざがりの多くの方々も仕事が減り経済的にも厳しい状況下で、学校の勉強も詰め込まれ、楽しい行事も減り、かつ休暇が減ったりと、子どもも大人も厳しい生活が強いられています。
4月にもフレイルについて書かせてもらいましたが、家の中で閉じこもり生活が続き、昼夜逆転になったり、身体や頭の動きが低下したり、歩くことや身の回りのことなど、生活動作が行いにくくなったりして、フレイル(虚弱)が進んでいきますね。フレイルが進むと、体の回復力や抵抗力が低下し、自分で自分の事ができなくなり、要介護状態になっていくといわれています。(図1)
図1:フレイルという状態
身体のフレイルだけでなく、心のフレイル、そして社会的なフレイルもあいまってフレイルサイクルが回っていきます。この負の連鎖をいかに早期から断ち切るかがとても大事であるといわれています。
私の患者さまの中にも、仕事もなく一人で家でアルコール飲酒が増えた方や、病院の面会が禁止となり大切な家族と最期の時間を持つことができなかったり、夏場はデイサービスが中止となっていたことからあっという間に足腰の筋力が弱り、ようやく涼しくなり屋外に出たところで転倒したりと、コロナ時代には多くのストレスを抱えて過ごされている方々がたくさんいます。
フレイル予防の3つの柱
フレイル予防のための3つの柱として➀「栄養(食・口腔機能)」②「身体活動(運動)」③「社会参加(仕事・余暇活動・ボランティア)」があり、それぞれ住民個々人が継続できるような形で取り組むことが必要であります。(図2)
このような時こそ、ご家族や友達、地域のつながりを活かして、電話や手紙、メールなども利用しながら、心のつながりを感じていきたいですよね。友の会活動もコロナ感染者状況を見ながら、屋外でできる取り組みから始めていければいいですね。
図2:フレイル予防のための3つの柱
フレイル予防としては3つの柱にそって➀栄養バランス(難しければ色どりよい食事を意識する)のとれた食事②規則正しい生活、家の中でストレッチや階段昇降、庭いじり、窓や床など体を目いっぱい使って掃除する、屋外でも人と距離を保ち合がら散歩やランニングをする ③電話などでお友達と話したり、室内でできる読書や手作り工作、園芸、裁縫、パズル、トランプなどで コロナに負けない体力づくりを進めていきましょう。
千北診療所 副所長
野口医師