国から救済が受けられるかもしれません
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はじめに
大阪民医連では、幼少期に受けた集団予防接種が原因で、B型肝炎ウイルスに感染された方が、国からの給付金が受けられるよう支援を行っています。
以下の要件に該当する方、その可能性がある方は間違っていても結構ですので、お気軽にお問い合わせください。
電話:06-6268-3970
担当:別所・大隅
B型肝炎とは
B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスの感染によって起こる肝臓の病気です。成人がウイルスに感染した場合、成人には免疫力があるので、一時的に急性の肝炎を発症することはあっても、そのほとんどが治癒してしまい、以後、再び感染することはありません。
一方、乳幼児がウイルスに感染した場合、免疫力がきわめて弱いため、ウイルスが肝臓に留まったまま感染状態が持続してしまいます。そして、このような持続感染状態の乳幼児が成人になると、ウイルスと免疫の共存状態が崩れて慢性肝炎を発症し、さらには肝硬変、肝がんと進行することがあります。
B型肝炎ウイルスの感染経路は?
B型肝炎ウイルスは、主に血液を介して感染します。乳幼児期に持続感染した場合の感染経路としては、出生時に母親から子どもに感染する垂直感染(母子感染)と、注射器(針・筒)の使い回し、輸血等を原因として感染する水平感染があります。
ただし、母子間感染阻止事業が開始された昭和61年以降は、母子感染はほとんどみられなくなりました。また、日常生活の場でB型肝炎ウイルスに感染することはほとんどありません。
集団予防接種でB型肝炎ウイルスに感染した理由
日本では、幼児を対象とする集団予防接種が、明治時代のころから行われてきました。その際、注射器(針・筒)は、1人ごとに消毒や交換されることなく、数人に連続して使用されてきました。
B型肝炎ウイルスは血液を介して感染するので、当該集団の中にウイルス感染者がいた場合、注射器を連続使用すれば、ウイルス感染者の後に注射を受ける人は、注射器に付着した感染者の僅かな血液によって、ほぼ確実にウイルスに感染してしまうことになります。
なお、このような注射器の連続使用は、使い捨ての注射器が普及する昭和63年ころまで続いたといわれています。
注射器(筒・針)を消毒せずに連続使用することが、種々の感染症の原因となることは戦前から常識とされ禁忌とされていました。にもかかわらず、「1人ごとに注射器(筒・針) を取り替える」という僅かな手間とコストを惜しむなどの理由から、国は集団予防接種における注射器(筒・針)の連続使用を放置し続けました。その結果、我が国にB型肝炎が蔓延してしまったのです。
B型肝炎訴訟の提起と最高裁判決
平成元年6月、北海道のB型肝炎患者5名が、B型肝炎ウイルス感染は、幼少時に行われた集団予防接種の際の注射器の連続使用が原因であるとして、集団予防接種を実施した国に対し、損害賠償を求める裁判を起こしました。
平成18年6月16日、最高裁判所は、国が集団予防接種を行うにあたっては、注射針及び筒の1人ごとの交換と徹底した消毒の励行等を指導して、B型肝炎ウイルス感染を未然に防止すべき義務があったのであり、これを怠った国には過失があるということを認めました。
その上で、因果関係についても、集団予防接種等における注射器の連続使用によって、B型肝炎ウイルスに感染したというべきであるとして、原告らの請求を認める判決を下したのです。
全国におけるB型肝炎訴訟の集団提起
上記裁判を起こした原告団・弁護団は、最高裁判決後、厚生労働省に対し原告以外の患者の救済を求めて交渉を行いましたが、原告以外の救済対策はとられないまま放置されてきました。そこで、平成20年3月以降、国の責任を明らかにして患者の救済を行うために、全国でB型肝炎訴訟が提起されました。
基本合意と特別措置法の成立
全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団は、集団予防接種によりB型肝炎ウイルスに感染した患者が迅速に救済を受けるべく、厚生労働省前での座り込みなど大きな運動を展開してきました。
そして、民医連は、原告団・弁護団の運動を継続的に支援してきました。その結果、平成23年6月には、全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団が国と協議した結果、国が損害賠償に応じるためのルールを定めた「基本合意」が成立しました。
この「基本合意」の成立によって、所定の賠償条件を満たした方については、B型肝炎訴訟に参加し国に必要資料を提出することによって国が損害賠償金の支払に応じることになりました。
さらに、平成24年1月には、国会で「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」(B型肝炎特措法)が成立し、これによってB型肝炎訴訟の中で訴訟上の和解が成立した方に対しては、国が「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金」(B型肝炎給付金)の名目で賠償金を支払うようになりました。
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