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新薬を使う“リスク”とは?

 

 昨年、新しい抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」が発売され、“1回飲めば済むし、従来の薬より強い”とマスコミがこぞって取り上げました。

 

 でも、私たちは、この薬を「使わない」ことにしました。それは、発売1年未満の新薬は、『仮免許』状態と考え、使用を控えるというルールがあるからです。特に、全く新しい「作用機序」の薬は、魅力的ですが、何が起こるかわからないということでもあります。

 

 今シーズンはインフルエンザが大流行しましたが、幸い従来の薬で十分対応できました。そして今年3月、ゾフルーザに新たな副作用(血尿や鼻出血等)や、抗血栓薬ワルファリンの作用を強めることがある、との報告がありました。これは発売時には知られていなかったことです。

 

 また、薬が効かないウイルスの拡大も起こっています。やはり、新薬の使用は「慎重」に行うべきです。

 

淀協薬事委員会 事務局長(西淀病院薬局長) 
 森 吉男