淀協のご紹介

理 念

淀協の理念

 

「人権を尊重し、安全・安心・信頼の医療・介護・保健活動を行います」

 


 

淀協・西淀病院70年宣言

 

 私たちは、今後一切戦争をせず、どの人も等しく人間として生きる権利があることを定めた日本国憲法が施行される3か月前、1947年の2月10日、西淀川労働会館附属西淀病院として設立され、今年70年を迎えました。

 戦前の無産者診療所運動を源流とし、戦後、飢餓と貧困の中、労働組合、地域住民と進歩的な医師・医療従事者の力により淀協・西淀病院は誕生しました。

 

 私たちは、この70年、日本国憲法とともに歩んできました。また、民医連に結集し、“いのちの平等”を求め続けてきた70年でした。

 歴史を振り返ると、地域や国民の要求と運動が前進する時には、私たちもまた、前進してきました。公害・労災職業病の運動、老人医療費無料化実現、淀川准看護学院設立、新病院建設、診療所や介護事業の新たな展開、医療技術の獲得、自前の医師・看護師など医療従事者の養成などがそのことを示しています。 

 要求実現のためには、政治を変えることにも積極的に挑戦し続けてきました。

 

 これらはすべて淀協のDNAです。

 

 一方、医療や社会保障の後退をすすめる政治のもと、営利を目的とせず無差別・平等の医療と介護を進めることは並大抵なことではありませんでした。 

 しかし、地域の人びと、健康友の会、西淀川医療労働組合との協力・共同の力で経営を守り、事業と運動、人づくりを今日まですすめることが出来ました。

 

 格差と貧困がすすみ、少子・高齢社会が到来しています。医療・介護の営利化・市場化がすすめられ、平和憲法、民主主義が危機に瀕しています。

 私たち淀協は、地域の人たちの苦難を自らの課題として受け止め、地域の健康増進、人権を守ることに積極的に貢献する病院・事業所であり続けたいと思います。憲法を守り、平和な社会をつくるために積極的に貢献していきます。

 

 私たち淀協は、平和と人権を希求する地域の多くの人びととともに、これからもまた80年、100年に向かって歩み続けます。

 

2017年11月23日

淀川勤労者厚生協会

 


 

民医連綱領

 

 私たち民医連は、無差別・平等の医療と福祉の実現をめざす組織です。

 戦後の荒廃のなか、無産者診療所の歴史を受けつぎ、医療従事者と労働者・農民・地域の人びとが、各地で「民主診療所」をつくりました。そして1953年、「働くひとびとの医療機関」として全日本民主医療機関連合会を結成しました。

 

 私たちは、いのちの平等を掲げ、地域住民の切実な要求に応える医療を実践し、介護と福祉の事業へ活動を広げてきました。患者の立場に立った親切でよい医療をすすめ、生活と労働から疾病をとらえ、いのちや健康にかかわるその時代の社会問題にとりくんできました。また、共同組織と共に生活向上と社会保障の拡充、平和と民主主義の実現のために運動してきました。

 私たちは、営利を目的とせず、事業所の集団所有を確立し、民主的運営をめざして活動しています。

 

 日本国憲法は、国民主権と平和的生存権を謳い、基本的人権を人類の多年にわたる自由獲得の成果であり永久に侵すことのできない普遍的権利と定めています。

 私たちは、この憲法の理念を高く掲げ、これまでの歩みをさらに発展させ、すべての人が等しく尊重される社会をめざします。

 

  • 一、人権を尊重し、共同のいとなみとしての医療と介護・福祉をすすめ、人びとのいのちと健康を守ります
  • 一、地域・職域の人びとと共に、医療機関、福祉施設などとの連携を強め、安心して住み続けられるまちづくりをすすめます
  • 一、学問の自由を尊重し、学術・文化の発展に努め、地域と共に歩む人間性豊かな専門職を育成します
  • 一、科学的で民主的な管理と運営を貫き、事業所を守り、医療、介護・福祉従事者の生活の向上と権利の確立をめざします
  • 一、国と企業の責任を明確にし、権利としての社会保障の実現のためにたたかいます
  • 一、人類の生命と健康を破壊する一切の戦争政策に反対し、核兵器をなくし、平和と環境を守ります

 

 私たちは、この目標を実現するために、多くの個人・団体と手を結び、国際交流をはかり、共同組織と力をあわせて活動します。

 

2010年2月27日
全日本民主医療機関連合会 第39回定期総会

 


 

全日本民医連医療・福祉宣言

 

「いつでも、どこでも、だれでもが安心できるよい医療と福祉を」

 

1.人権を守り、ともにつくる医療と福祉

 

 私たちは、信頼、納得の医療と福祉を共同の営みとして実践します。そのために医療と福祉への患者・住民参加を何よりも大切にし、情報の公開と共有を基礎に安全性を高めます。医学医療の進歩、高齢社会の到来や生活不安の増大のなかで、地域からの期待や要求も変化します。私たちは、医療と福祉の公共性を守る運動をすすめながら、生活や人生の質を高められる技術や施設など、新しい課題にも挑戦します。

 

2.地域に根ざす保健・医療・福祉ネットワーク

 

 ますます厳しくなる生活や労働、そして健康の問題を解決するうえで、地域ネットワークの強さと細やかさが大切です。私たちは、他の医療・福祉施設や行政、ボランティアなど、関係する人びととの交流や共同のとりくみを大事にします。そして、私たちへの期待や意見にしっかり耳を傾け、より開かれたネットワークをめざします。

 

3.安心して住み続けられるまちづくり

 

 子どもたちが健やかに育ち、高齢者や障害をもつ人が安心して暮らせるまちは、すべての住民にとって住みやすいまちです。これからは、行政の責任と同時に、自治への積極的な住民参加が求められる時代です。私たちは、地域全体が健康になることをめざし、暮らしと雇用・教育・環境・文化などのまちづくりの活動に参加します。

 

4.憲法と平和、福祉の国づくり

 

 日本国憲法は、不戦を誓い、国民の生存権を保障した世界に誇れるものです。その大切な憲法がこわされようとしているいま、あらゆる人びとと力をあわせて、平和を脅かす動きや憲法そのものの改悪に反対します。そして私たちは、社会保障制度の充実をはじめ、憲法が暮らしのなかに生かされ、人間の尊厳が何よりも大切にされる国づくりの運動に合流します。

 

5.非営利・協同の組織としての発展

 

 私たちの組織や施設は、地域の財産です。社会的使命をかかげ、事業や運動をすすめる非営利・協同の組織が世界的に発展しており、私たちもその一員として国際交流を深め、経験や教訓を学びます。住民と医療・福祉の専門職が、営利を目的とせず、自主的に設立し、民主的に管理運営する多様な事業の発展方向をさらに探求します。

 

6.地域とともに歩む専門職の育成

 

 病気や障害をもつ人びとの苦しみや生き方に共感し、地域のなかで学び成長する専門職の育成をすすめます。私たちの事業と運動の前進には、科学性・社会性・倫理性をふまえた鋭い人権感覚をもつ専門職が必要です。多くの学生に体験の場を提供し、あるべき医療と福祉をともに考え、民医連への参加を呼びかけます。


2002年2月23日
全日本民主医療機関連合会第35回定期総会