
患者さんに大きな負担、
お金のあるなしで医療に差別持ち込む
先の参議院選挙で話題になった「OTC類似薬の保険外し」についてお話します。
そもそも「OTC」とはOver The Counterの頭文字を取った略称で、薬局で販売する一般用医薬品(処方箋が無くても購入することができる医薬品)のことを指します。
「OTC類似薬」とは、医療機関で処方される医薬品の中で安全性が確認され、薬局やドラッグストアで販売できるようになった薬を言い、現在、「OTC類似薬」は100成分近くあります。
今回、国の社会保障費(主に医療費)の削減のための案として、病気の治療として必要な「OTC類似薬」を保険から外し、処方箋に記載できないようにすることが複数の政党から提案されています。
これが実行されると、対象の薬を薬局やドラッグストアで購入しなければなりません。あるカゼ薬は、医療機関で処方してもらった場合(3割負担)と比べて約50倍、また鼻炎等のアレルギー薬でも約13倍の値段となります。
これは患者さんにとって、大きな負担となりますし、さらに体調が悪い中、薬局やドラッグストアに買いに行くことで治療が遅くなり、病気が悪化することも考えられます。「OTC類似薬の保険外し」は患者さんから医療を遠ざけることに繋がり、お金の有り無しで医療に差別を持ち込むことになります。
大阪ファルマプランの薬局は、全ての人が安心して治療を受けることができること、「公的保険で良い医療」を進める立場から「OTC類似薬の保険外し」には反対の立場をとっています。
一般社団法人 大阪ファルマプラン 理事長