新型コロナウイルスの感染拡大により、飲食店に対して営業時間短縮等の政府の要請が出される中、自宅で飲酒する機会が増えていると言われています。外出自粛や在宅勤務などで時間を気にせず飲めるため、ついつい飲酒量が増えてしまうことが懸念されています。
総務省統計局が発表した家計調査によると、家庭の酒類の消費は増加しており、特に緊急事態宣言中であった昨年4〜5月は前年比で約25%増となっています。
コロナ禍で増えるアルコール量
私たちが入院等で関わる患者さんの中でも、コロナ禍によるアルコール摂取量の増加で体調を崩される方が増えていることを実感しています。
患者さんから事情を伺うと、「新型コロナの影響により仕事がうまくいかず、ストレスからお酒に走ってしまった」「元々お酒が好きだったが、自宅にいることで飲酒量が自然と増えていった」「断酒を続けていたが、断酒会やAA(アルコホーリクス・アノニマス)などの自助グループが人数制限や休会で参加できなくなり、一人で断酒を続けることが出来なくなった」などの声がありました。
西淀病院では入院患者が32%も増加
実際に当院のアルコール関連疾患入院患者の統計でも、2019年と比べ2020年は約32%増となっており、特にアルコール性肝硬変などの肝障害を起こされる患者が増加している傾向があります。
CAGE(ケージ)テストをしてみましょう
アルコール依存症スクリーニングテストとしてCAGE(ケージ)テストというものがあります。この4項目のうち、1項目でもあてはまればアルコール問題の可能性があり、2項目以上があてはまれルコール依存症の疑いがあるとされます。
お酒とうまく付き合いましょう!
コロナ禍での生活様式や働き方の変化により、ストレスや疲れが溜まっている人は多いと思います。気晴らしのためにと思いついつい飲みすぎてしまわないように、お酒とうまく付き合っていく必要があります。
アルコール依存は一人ではなかなか抜け出すことが出来ず、適切な支援や治療が必要な病気です。この機会に、自身の生活を振り返ってみてはいかがでしょうか。
アルコール依存症などを防ぐための注意事項
●仕事、勉強、運動など定期的な活動スケジュールを作成する |
西淀病院 医療福祉相談課