お知らせ

よどがわ食料たすけあい市場(フードバンク)開催報告

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 4回目の新型コロナウイルス感染緊急事態宣言下の8月21日午後3~5時、よどがわ食料たすけあい市場(以下、淀川フードバンク)が、「十三東公園」で開かれました。淀川区内で初めての取り組みでしたが、開始時点で100人を超える行列ができ、280人(子ども含む)の方が参加。ボランティアも前日準備含めて、のべ130人が参加しました。

 

 淀川フードバンクは、コロナ禍のもと、大阪では餓死事件や自殺者の急増、事業所の倒産・廃業、雇止めなどがつづき、食べることすら困難な生活困窮者が増加している中で、西淀川区や此花区、東淀川区でフードバンクが開催されて、コロナ禍で困っている地域の方々や学生たちに喜ばれているのを受けて、健康友の会の塚本支部、あい三国支部、竹島加島支部からの「淀川区内でフードバンクの開催」呼びかけに応えて実行委員会を結成し、手持ちの生活費が少なくなる給与前や給食がない夏休み中に開催して、少しでも生活の支えにしていただこうと話し合い、お盆中に案内・準備を進めてきました。

 

 

 実行委員会では、「いのちとくらしを守る新しい繋がりを地域の中でつくろう」と確認し、呼びかけ人になっていただく事へのお願いや企画の案内等で、区役所、公的団体、町会、企業、近隣商店やスーパー等を訪問し、チラシ設置・ポスターの貼り出しをしていただきました。また小・中学校へも郵送で案内しました。また、チラシの地域配布等にも多くのボランティア方から協力を得ました。

 

 呼びかけ人や賛同団体は、社会福祉協議会、商店会連盟、居酒屋富五郎、勉強お助けルーム、淀協事業所や健康友の会、よどがわ保健生協、民主商工会、淀川・東淀川労連、年金者組合、借地借家人組合、新日本婦人の会、生活と健康を守る会、民青同盟、生健会、社会福祉法人新よどがわ、大阪ファルマプラン、あおぞら財団、関西共同印刷所と、多くの団体・個人に支えられて取り組むことができました。

 

 特に、食料や物品の確保では、商店会連盟さん、NPO法人日本もったいない食品センターさん、佐竹食品さん、よどがわ市民生協さん、農民運動全国連絡会等からのご協力と、実行委員会参加団体の地域を超えた物資提供もあり、準備した300人相当の食料・日用品はほぼ完配しました。あらためて、ご協力頂いたみなさまに感謝申し上げます。

 

 フードバンクでは、単に食料や物品を無料配布するだけでなく、コロナ禍で困っていること等を聞き取り、解決へ向けて一緒に考えられる場として、弁護士、医師、保育士、労働相談員による「何でも相談活動」に取り組み、法律相談2件、健康相談1件が寄せられました。また、生活・健康アンケートには244件の回答が寄せられました。

 

 フードバンクには、年金暮らし、子育て世代、シングルマザー、コロナで仕事が減った人や失職した人など、様々な事情を抱えられている方が来場されました。

 来場者からは、小学生の子どもを連れた30代女性は「フードバンクはテレビのニュースで知った。米や野菜、子どものお菓子も地味に高いので地元で開催してくれてうれしい」/私立大学に通う20代男性は「アルバイトができず実家の収入も減り、学費も生活費も大変。秋からもオンライン授業で、もうずっと友達に会えていない」/40代男性は「しばらく人と喋っていなくて、話を聞いてくれてうれしかった」/居酒屋で働く60代女性は「6月の時短協力金もまだ届いていない、オーナーは苦しそう」と、ボランティアへ感謝の声や行政にコロナ対策の拡充を求める声も聞かれました。

 

 自己責任論が少なからず浸透している社会の中で、困っている人たちが「助けて」といえる場の大切さも感じました。また、高齢の男性から匿名で、高齢の女性からは「こんないい取り組みでいたただくだけではいけない」と、カンパを届けてくださいました。

 

 わたしたちは、こうした声を受け止め、困った時はお互いさまの「共助」の取り組み継続とともに、コロナ禍でますます広がっている生きづらさ・生活困窮に対して、行政による「公助」の必要性も感じました。

 コロナ禍で困っている人たちの、生活支援と生活再建へ少しでも役に立てる社会連帯の取り組みとして継続していくと同時に、「共助」だけでなく「公助」の更なる拡充も求めて行きたいと思います。

 

 

2021年8月24日
淀川区フードバンク実行委員会