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健康寿命延伸に向けて

 

 我が国は世界最長寿の国と言われて久しい。しかし、自立した生活を営める年齢(健康寿命)は、2013年の統計で男71.2歳、女74.2歳で、平均寿命男80.2歳、女86.6歳と男女いずれも大差が認められ、この間は何らかの形で他者の介護を必要とすることになる。

 

 一方、2016年の国民生活基礎調査によると、介護保険認定で要介護・要支援をもたらした疾患のうち4分の1を骨折・転倒、関節疾患等運動器の障害が占めるとしている。これ等を併せ考えると、運動器疾患の予防が健康寿命延伸に直結すると言えるだろう。

 

 2020年、ロコモティブシンドロームの判断基準ロコモ度に3度が追加され、これは介護が必要とされる直前状態をも含む。運動機能評価が病名を考慮するのに影響を与えることになる。以上より、運動器の保全が健康寿命の延伸に大きく働きかけることになると思われる。

 

 

*「運動器」とは身体を動かすことに関わる骨、筋肉、関節、神経などの総称。

 

整形外科 寺澤 医師