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隠れ貧血

 

 「隠れ貧血」って知っていますか?貧血にはなっていないけれど、体が鉄欠乏の状態にあることです。

 

 私たちの体の中の鉄は、血液中に含まれ、体のあちこちに酸素をはこぶ大切な役割をしています。それ以外に、肝臓などにも鉄が蓄えられており、これを貯蔵鉄といいます。体の中の鉄が少なくなると、まずはこの貯蔵鉄が利用され、見かけ上は、貧血になりません。さらに鉄が足りなくなると、この貯蔵鉄をつかいはたし、ついに鉄欠乏性貧血になってしまいます。

 

 つまり、貧血が明らかになる前から、体は鉄欠乏の状態になっていることがあるのです。鉄欠乏は、頭痛、肩こり、不眠、めまい、筋力低下、疲労感など、様々な症状との関連が指摘されています。女性は月経による出血で鉄を失いますし、偏食やダイエットで鉄不足となったり、胃や大腸などの病気から鉄不足になることもあります。貯蔵鉄については、一般にフェリチンという値を検査しますが、健康診断などでは調べない項目なので、「隠れ貧血」でも気づかぬまま過ごしている方も多いかもしれません。

 

 鉄には大きく2種類あり、赤身の肉や魚にふくまれる「ヘム鉄」と小松菜や豆などに含まれる「非ヘム鉄」があります。体に吸収される割合は、ヘム鉄は20%前後、非ヘム鉄は5%前後ともいわれています。ただし、非ヘム鉄は、蛋白質やビタミンCと一緒にとると吸収がよくなるともいわれています。日本人女性は鉄欠乏が多いといわれています。ぜひ、鉄を意識して食事を見直してみましょう。

 

西淀病院 小林 医師