戦争と健康
ロシアがウクライナに侵攻して約1か月になります。これを機会に、病院がなぜ戦争に反対するのかを、健康の面から考えてみます。
健康って何でしょうか。病気がなければ健康でしょうか?
「家に冷蔵庫がない」「トイレや風呂が共同」「礼服を持っていない」、これらに当てはまる人たち、つまり、お金がない人たちは、将来病気しやすいと言われています。貧困は、健康にとって良くないのです。
同じく、「いつ砲弾が飛んでくるか分からない」状況で、ストレスを感じない人はいません。戦争から逃れるために難民になれば、生きていくのに必要な衣食住の住がなくなります。
そして何より、戦争に税金をつぎ込む政府が、弱い人たちの味方になったことはありません。「兵隊になれない男子は欠陥品」「障害者は死ぬべき」など、戦力になる人、障害のない人、戦争に長けた人が、素晴らしい人間かのように洗脳され、弱い人は死んでも良いような風潮が作られます。弱い人たちも含めて、すべての人たちが、健康でいられるためには、戦争そのものと戦争に続く道を歩むことを止める必要があるのです。
大阪社会医学研究所 中村 医師