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認知症の予防

 

 社会の高齢化が進む中で、ご自分やご家族の認知症について心配されている方も多いと思います。今回は、認知症の予防についてこれまでにわかっていることをご紹介したいと思います。
 認知症にはさまざまな原因がありますが、ごく一部のものを除いて治療法が確立したものはなく、認知症に対するお薬も進行を少し遅らせるくらいの効果しかありません。このため、可能な範囲で認知症を予防することが大切になります。

 

 実は、中年期からの生活習慣が認知症のリスクと関係していることがわかっています。血圧が高くても自覚症状はありませんが、高血圧は脳卒中だけでなく認知症のリスクも高めるので、収縮期血圧(上の血圧)を130mmHg以下に保つようにしましょう。アルコールのとりすぎや喫煙も認知症のリスクになります。ボクサーが認知症になりやすいことがわかっていますが、頭部に衝撃を受けるようなことも避けたほうがよいです。意外なところでは、社会的なつながりが少ないことも認知症のリスクになります。

 

 

 コロナの影響もあって、自宅に引きこもりがちになっておられるかもしれませんが、できるだけ社会的な活動に参加するようにしましょう。多くの方がふだんの生活を見直すことで、充実した老後を過ごしていただけることを願っています。

 

西淀病院 院長 福島 啓