脂質異常は循環器系疾患に深く関わります!
LDL-コレステロール(悪玉コレステロール、以下LDL-C)や中性脂肪の上昇は動脈硬化症を進展させ、脳梗塞、心筋梗塞などで突然寝たきりになったり、動脈瘤破裂で突然死したり、認知症の発症、進展に関わったりと〝健康で長生きしたい〞との思いを一瞬にして壊すもので、是非避けたいものです。
LDL-C上昇は特に更年期以後の女性では2〜3人に1人ぐらいと高頻度に見られるものですが、血中の濃度の1/3程度しか食べ物に影響されず、ストレスに強く影響されますので、なるべく心を開放させて暮らすことが大切です。
あとは薬に頼らざるを得ないところですが、現在、副作用も少なく病状に応じて自在に調節できる薬がそろっています。
LDL-Cを充分下げると動脈硬化症は軽減しますが、その減少率は30%までに留まります。
残りの動脈硬化に関与するものの1つとして中性脂肪があり、これも重要な危険因子です。
中性脂肪は肥満、糖尿病の方で上昇しますが、思春期にやせっぽちでその後10㎏ぐらい体重が増えても太って見えない人(日本人に多い)でも上昇し注意が必要です。いずれにしろ、2〜3㎏でも良いから減量し、運動することで正常化することが多いです。
内科医師 大森 京子