社会格差と健康
世の中には、長生きする人とそうでない人がいます。医学は長年にわたって、この差について研究してきました。その最新の成果について、少し紹介したいと思います。
個人の行動で言えば、毎日外出して、趣味やボランティア、サークル活動など、いろいろなことをしている人ほど、介護されにくく、長生きすることが分かっています。医療生協活動に積極的に参加する人ほど健康だということも分かってきました。おそらく、健康友の会活動の参加も、健康を増進する作用があると考えられます。ですので、みなさん積極的に参加しましょう。
また、収入の少ない人は、多い人に比べて寿命が短いということが分かりました。さらに、収入の格差がはげしい地域に住んでいるお金持ちと、収入の格差が小さい地域のお金持ちでは、格差が小さい地域のお金持ちの方が長寿だということも分かりました。社会のいろいろな格差がはげしい地域では、住民はみな短命になるのです。ですので、社会格差を縮める運動も健康に良いのです。
大阪社会医学研究所所長・医師