便 秘
高齢になると便秘で困っていらっしゃる方が大勢おられますので、今回は便秘のお話をします。
便秘とは『本来体外に排出すべき糞便を、十分量かつ快適に排出できない状態』、『3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態』と定義されています。
歳をとってご飯を食べられない人が、毎日出ていたものが2日に1回しか出なくても、実は便秘ではないということになります。
便秘は、①がんなどによる狭窄 ②腸の機能低下や便の質が悪いことが原因で起こります。高齢者の便秘で気を付けないといけないのは①です。便潜血検査で陽性の人は、大腸がんの可能性があるので大腸カメラを受けましょう。②の場合は慢性便秘と診断し治療します。
下剤は、食物繊維を十分にとったうえ(1日20g )で開始するのが適切なので、便秘の治療に食生活はとても重要です。しかし、食物繊維20gをとるには、ごぼう2本、キャベツ1玉、そば4人前と高齢者にはとても大変です。そこで、できる限り食物繊維をとりながら、かかりつけの先生に下剤を適切に処方してもらい、2日に1回の排便で患者さんが満足することが重要です。
西淀病院 豊川 医師