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ポジティヴヘルス‼

 

 「皆さん!今、健康ですか?」健康とはどのように定義しますか?

 「高血圧では無いこと?」「糖尿病では無いこと?」

 果たして病気が無いことが健康なのでしょうか?病気があれば不健康なのでしょうか?

 

 世界保健機関(WHO)は「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」と定義しています。

 これは1946年に定められたものですが、70年以上前の主張が果たして現代の日本のような超高齢社会でも成り立つのでしょうか?

 

 そこで、皆さんにご紹介したい考え方をご紹介します。

 2011年にオランダの家庭医マフトルド・ヒューバーが唱えた、新しい健康の概念「ポジティヴヘルス」です。

 健康を「社会的、身体的、感情的な問題に直面したときに適応し、本人主導で管理すること」と捉える考え方です。つまり、病気があっても無くても、その人自身が今の状態を理解し、その状態をエネルギーを持って生きていくのであれば、その人は健康であるという考え方です。

 その際に役立つのが、ヒューバーが考案した「クモの巣」と呼ばれるレーダーチャート(下図)です。

 

 「身体の状態」「心の状態」「いきがい」「暮らしの質」「社会とのつながり」「日常機能」-この6つの指標をみて、自分の今の状態を把握してみてください。

 そして、自分ってこういうところが強みだ、もう少しここをよくしたい、ここは苦手なので今
はこの弱みはそのままにしておこうなど、自分の体や心の中に目を向け、意識し、できることから行動すること、これが健康なポジティヴヘルスなのです。

 

 つまり、病院や医療機関、薬を飲むだけで健康を作ることができるのではなく、健康友の会の皆さんのように、社会とつながり、地域とつながり、仲間と一緒にワイワイと過ごしながら、自己肯定感を高め、1日1日を充実して少しずつ前向きな行動ができることが健康的なのです。

 健康の輪を広げていくために、このクモの巣チャートを1週間に1度眺めてみることからはじめてみませんか?

 

 

 

 

千北診療所 総合診療医 野口 愛