グレープフルーツジュースと薬の飲みあわせについて
高血圧の薬が処方されたときに、薬剤師から「グレープフルーツジュースを飲まないでくださいね」と言われたことはありませんか。
高血圧や狭心症の薬であるカルシウム拮抗薬(アムロジピンなど)は、肝臓にある酵素で分解されます。
一方、グレープフルーツジュースに含まれる物質にはこの酵素を邪魔する働きがあるため、同時に飲むと薬が分解されず長く体内にとどまって、必要以上に強い効果が出てしまう可能性があります。
その結果、必要以上の血圧低下、心拍数の増加、頭痛やめまい、動悸、顔のほてりなどの副作用があらわれることが考えられます。
グレープフルーツジュースによる影響は、個人差がありますが十数時間〜数日持続するため、薬を飲んでいる間は、グレープフルーツジュースを飲まないようにしなければなりません。
また、グレープフルーツの果実やスウィーティー、ダイダイ、ライムにも同じ物質が含まれているので注意が必要です。同じ柑橘系でもみかんやレモンにはこの物質は含まれていないので心配いりません。
こうした作用は、高血圧の薬だけでなく脂質異常症の薬(アトルバスタチン)や抗血小板薬(シロスタゾール)でも確認されています。気になることがあれば薬剤師へご相談ください。
あおば薬局 薬剤師 原 誠一
(健康の友2022年9月号)