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薬剤師の一口アドバイス

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酸化マグネシウム

 

 便秘の症状は辛いものです。食事の内容を見直し、運動をするなど努力をしてみたけれど、それでも改善しない時に、便秘薬が処方されます。便秘薬には、腸を動かして排便を促す飲み薬や、腸の水分を多くして便を柔らかくし出しやすくするもの、大腸を直接刺激して排便を促す浣腸や坐薬などがあります。

 

 その中でよく処方される酸化マグネシウムについての注意点をお知らせします。酸化マグネシウムは、腸に水分を呼び込む作用のある薬ですが、腎機能が低下している方や高齢の方では、血清マグネシウム濃度が上昇(高マグネシウム血症)しやすくなります。このことから腎機能障害をお持ちの方には投与しないこととなっております。

 

 では、高マグネシウム血症とはどんなものでしょうか?

 症状としては、嘔吐、徐脈、筋力低下、起立性低血圧、傾眠などが目安となります。この様な症状が出れば、酸化マグネシウムの服用を中止して受診してください。効きが悪いからといって勝手に沢山飲んでは危険です。酸化マグネシウムを長期間服用されている方は、血清マグネシウムの検査について一度、主治医とご相談ください。

 

もえぎ薬局 管理薬剤師 上野ひとみ
(健康の友2021年9月号)