腎臓と薬
処方箋に腎臓の機能を示す数値が記載されていることがあるのはご存じですか?
どうして、腎臓の情報が載っているのでしょう?
体中に取り込まれ効果を発揮した薬は、尿や一部は便となって出ていきます。尿に溶けにくい薬は肝臓などで尿に溶けやすいように形をかえられて最終的には尿として腎臓から排泄されます。
腎臓(もちろん肝臓も)が十分に働けない場合、身体の外へ薬を出すのが遅くなり薬が効き過ぎることがあります。そのような場合、薬を飲む量や間隔を腎臓の処理の能力に合わせて調節します。
ずっと飲んでいる薬でも、年齢とともに腎臓の機能が徐々に低下してきたり、水分摂取不足や嘔吐などで水分が失われてしまったりした場合、望ましくないことが起こりえます。
いつも飲んでいる薬に、痛み止め等が追加されることで腎臓を流れる血液の量が低下し、腎不全に陥ってしまうこともあります。
医師から腎機能低下を指摘されていたり、水分を制限されている方は市販薬を購入される際は薬剤師にお申し出ください。
あおぞら薬局 薬剤師 森脇 幸恵
(健康の友2021年4月号)